Taken on 2022 #168

2022.05.03
2022.05 - My room
2022.05 – My room
Sony α7Riii + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical

– ミニマリストではないけれど –

“「これがいい」ではなく「これでいい」”

この言葉は無印良品のモノづくりの考え方で、「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品は目指していませんよ、ということを意味しています。自社のブランドやプロダクトの価値を高めるため一般的には真逆の戦略を取ることが多いと思いますが、無印良品はSDGsが叫ばれるずっと前から大量消費社会に対するアンチテーゼとしてこのような価値観で商品開発をしており、私はミニマリストとかではないですけどこの考え方は結構好きです。

話は変わりますが、私は写真を趣味にする以前は自転車が趣味でした。所謂ロードバイクというやつで、ヒルクライムという山登りのレースやブルベという200kmから600kmの長距離を走るイベントなどに参加して楽しんでいました。残念ながら膝を痛めてしまい今はもう乗ってませんが自転車自体はまだ部屋に飾っています。ロードバイクはカメラと同じく機材はピンキリで、高額なものはフレーム、コンポーネント(ブレーキとか変速機とか)、ホイールなど合計で100万円以上もざらにあります。十数年くらい前の当時は趣味に掛けられるお金はあまり無かったので最初に購入した初心者向けのアルミ素材のフレームのロードにずっと乗っていましたが、少し重いってこと以外は山でも長距離でも全然普通に乗れるんです。とは言えヒルクライムでは機材の軽さがタイムに影響するというのもあり最終的にはノーブランドの安価な中華カーボンフレームに換装したものの、その頃くらいから「まあこれでいいっか」というマインドを持つようになりました。

一方カメラ機材の話。私の所有するレンズは単焦点だとマニュアルフォーカスの35mmと65mm、オートフォーカスの85mmの3本、あとは望遠ズーム2本の合計5本です。大体どこに行くにも85mm以外の単焦点2本と望遠1本を持っていき、利用頻度としては65mmが5割、35mmが3割、残り2割が望遠といったところです。ちょこちょこレンズ交換するのは正直面倒なので持ち出せるのは3本が限界と思っており、なんなら標準域もズームのほうが良いのかもしれませんが単焦点の写りの良さとマニュアルフォーカスの写真撮っている感の楽しさは捨て難く、結局この3本に落ち着きました。単焦点は35mmと65mm両方共に満足しており、これ以外の画角のレンズはあっても持て余すので35mmと65mmだけで良いかなと思っています。これも一つの「これでいい」になるのかもしれません。寧ろこの2つの画角・レンズにこだわって撮り続けてやろうかと。

また、無印良品曰く

 “「これでいい」の「で」のレベルをできるだけ高い水準に掲げることを目指します。”

とも謳っており、この点もまた共感出来るものがあります。「ふむふむ、だよねー、やっぱそうだよねー。高い水準目指すべきだよねー」と色々考えた(曲解した)結果、望遠ズームレンズをTamron 70-180mm F2.8からSonyのGMレンズであるSEL70200GM2 (FE 70-200mm F2.8 GM OSS II) に変更することにして、先日マップカメラで注文しました。Tamronは先日買ったばかりなので消費しまくってますが、このレンズは中古品を購入しての売却なのでこれはもう実質レンタルだったよね、というよくある?謎理論発動です。

以上、現代社会における消費の在り方への疑問という壮大なテーマに見せかけた単なるレンズ購入します話でした。私の中での機材に関する「これがいい」と「これでいい」の葛藤と戦いはまだまだ続きそうです。ちなみにニューレンズの方は注文したはいいが品薄のようで、一説によると4ヶ月待ちとのことなので気長に待ちたいと思います。

出典:無印良品の未来
https://www.muji.net/message/future.html

Latest & PAST 32 Photos