Taken on 2022 #354

2022.08.08
2022.08 - Tokyo Photographic Art Museum, Meguro-ku, Tokyo
2022.08 – Tokyo Photographic Art Museum, Meguro-ku, Tokyo
Sony α7Riii + Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical

東京都写真美術館で開催されている「メメント・モリと写真 死は何を照らし出すのか」を鑑賞してきました。

その名の通りラテン語で「死を想え」を意味する「メメント・モリ」がテーマで全体3部構成となっており、直接的に死を連想させる戦争、貧困、飢餓をロバート・キャパ、澤田教一、セバスチャン・サルガドなどの写真で表現し、また、荒木経惟、ロバート・フランク、リー・フリードランダ-、ウィリアム・エグルストンらの日常の写真で関節的な(緩慢な)死を、もしくは死そのもののを描写した藤原新也の写真など、と様々な切り口でテーマが組み立てられています。

展示されている写真がほんとに凄くて、教科書とかディスプレイの中で表示されていた著名な写真が多く、素人ながら「おおお、これもあるのかー、見たことあるー」というのが多くて見応え充分でした。死(と生)がテーマにも関わらず宗教色を感じさせる写真があまりなかったのが個人的には印象的で、また、ここ最近における死の象徴的存在となっている(と私は思っている)3.11やCOVID-19、ウクライナ紛争に関する写真がなかったのは、それらがOngoingな事象なので意図的に除外したのかな、とか思ったり。

様々な写真を鑑賞して感じることはあったものの、(今は)健康で(今は)平和な日本に住む自分にとって、正直、死は他人事であって自分ごととして捉えることは難しいな思う一方で、「政情不安、気候変動、疫病など世の中待ったなしの状況なのだから、お前、心のどこかで覚悟しとけよ」と、そんな事を言わているような写真展でした。

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