こ
こ
ろ
の
月
その日、ぼくたちは
運が良かったんだ。
その日、ぼくたちは運が良かったんだ。
だって、あんなにも優美な
パイプオルガンがどこで
作られたのか、そんなことまで
知ることが出来たのだから。
だって、あんなにも優美なパイプオルガンがどこで作られたのか、
そんなことまで知ることが出来たのだから。
6月。
それはカトリックにとって
「み心の月」という大切な月。
とは露知らず、ぼくと妻は呑気に
その教会を訪れた。
それはカトリックにとって「み心の月」という大切な月。
とは露知らず、ぼくと妻は呑気にその教会を訪れた。
許可を頂き聖堂に入ってみると、
午前中最後のミサが終わったばかり。
帰路につく信徒の方々に紛れ、
その荘厳な空間の中で
少し緊張していると、
声を掛けてくださる方が。
許可を頂き聖堂に入ってみると、午前中最後のミサが終わったばかり。
帰路につく信徒の方々に紛れ、その荘厳な空間の中で少し緊張していると、
声を掛けてくださる方が。
「もしお時間あるなら」
と、幸運にも教会の方に
聖堂内をご案内頂けることになった。
「もしお時間あるなら」
と、幸運にも教会の方に聖堂内をご案内頂けることになった。
偶然にも居合わせていた、主任司祭様の
お話を聞かせて頂くことまで。
偶然にも居合わせていた、主任司祭様のお話を聞かせて頂くことまで。
司祭様は教会の成り立ちや
宗派の違い、聖堂の装飾について
世界史の教科書に載っていそうな
ことを交えて丁寧に、穏やかに
お話しされた。
司祭様は教会の成り立ちや宗派の違い、聖堂の装飾について
世界史の教科書に載っていそうなことを交えて丁寧に、穏やかにお話しされた。
それはまるで自分が体験して
きたかのようで淀みなく、
分かりやすかった。
それはまるで自分が体験してきたかのようで淀みなく分かりやすかった。
「あのパイプオルガンはね。
チェコ製なんですよ。
イタリア製は高いから。
お金が無かったんでしょうね。」
「あのパイプオルガンはね。チェコ製なんですよ。
イタリア製は高いから。
お金が無かったんでしょうね。」
そう笑いながら話す司祭様が
とても印象的だった。
そう笑いながら話す司祭様がとても印象的だった。
そして、
「せっかく遠くから来て下さった
のだから。」
そして、
「せっかく遠くから来て下さったのだから。」
と、普段は立ち入る事ができない
パイプオルガンが設置されている
2階にまで案内して下さった。
と、普段は立ち入る事ができないパイプオルガンが
設置されている2階にまで案内して下さった。
「ああ、これはすごい。」
と自然に溢れるくらい、階上からの眺めは素晴らしかった。
階下に降りるのが惜しくなるほど。
「ああ、これはすごい。」
と自然に溢れるくらい、階上からの眺めは素晴らしかった。
階下に降りるのが惜しくなるほど。
その日、ぼくたちは本当に
運が良かったんだ。
その日、ぼくたちは本当に運が良かったんだ。
2022年6月5日
東京 碑文谷カトリック教会にて。
こんなにも素晴らしい体験をさせて頂いた
教会の方々に感謝を込めて。